(道場の選び方)
まだまだ経験の浅い僕の話ですから、これが絶対というわけではありませんが、僕なりの考えで道場の選び方をお話ししましょう。また、ここでは仕事を持ち家族を抱え、限られた時間で空手をやろうという中年をターゲットにしていますので、血気盛んな若者の場合、いささか異なることになるでしょう。
空手を始めようとする人がまず悩むのは、「どの道場へ行くか」です。そして、このことが空手を続けられるかどうか、楽しくできるかどうかを決定づける、もっとも大事な決断事項です。
空手は流派によって流儀が違います。寸止めがあり、防具空手があり、フルコンタクト空手があります。そしてそれらの形態もさることながら、同じ流派でも道場によって稽古や試合の仕方はいろいろです。
そこで道場選びでは「どの流派がよいか」なんてことを多くの人が最初に考えるようです。僕に来る相談もそのような物が多いです。
しかし、空手を習い始めてからの悩み相談内容は、「流儀が合わない」などという内容は全くなく、指導者に対する不信感や仲間とうまく行かないなどの、人間関係についてのものばかりです。
つまり、どうやらもっとも良い道場というのは、指導者や道場生達との人間関係がうまく行く道場というのが第一であって、流派や会派はそのあとの話にすべきのようです。
さて、その道場選びですが、次のようなステップでこないます。
1 道場をリストアップする
2 見学する
3 体験入門する
4 続けるかやめるか決める
以上。
では少し詳しくお話ししましょう。
1 空手道場をリストアップする
まず、通える道場を選び出します。道場の存在は例えば以下の方法で見つけだします。
@ ホームページで検索
A 電話帳で検索
B 口コミ
C 講座を調べる
D 街で見つける
ホームページの掲載はどんどん増えてますがまだまだです。電話帳は、専用の道場を持っていないと載っていないので、あまり掲載がありません。道場運営を生業にしているような人が少ないので、公民館などを借りてやっている道場が多いです。口コミでは大して情報は入らないでしょうけれど、実際にやっている友人がいれば、気分的にも入門しやすいです。それからカルチャーセンターや市民会館で空手教室を探すのも有効です。これは結構見つかると思います。それから、街を歩いているときに空手道場の看板があったらチェックしておきましょう。
つまり、空手道場というのはまとまって「こんな風にあります」というリストが全くないのであります。
2 見学する
とにかく見学して、あなたが楽しく道場通いできるかどうかを判断します。見学すら認めないと言う道場があります。それでも魅力的な有名な道場と思えばそれもいいのかも知れませんが、僕としてはそういう偉そうな態度の道場はパスです。見学のポイントは判断基準は次のようなものが考えられます。
@ 立派な指導者がいること。
組織の善し悪しはほとんどトップで決まってしまいます。
先生に不信感があると、面白くなくなります。人間的に100%を求める必要はありませんが、大事なことです。空手はやり方によっては危険な武道です。ですから、指導者を信頼できなかったら怖くてたまりません。
かつて学校の運動部で訳の分からない苦行を何の考えもなしに強いていたいたようなタイプの指導者だったら、パスしましょう。
みなさんは家族を抱え、職場では責任ある立場にあります。体をこわしたり仕事に差し支えのある怪我をして当然であるような指導方法であれば、中年空手にはむきません。その辺の先生の方針を伺っておくといいでしょう。
それから、人間的にも尊敬できるような人だと言うことはありません。
A 話の合う道場生がいること。
他の道場生と年齢的が極端に離れていたりすると稽古方法などで問題が出てくることはもちろんですが、話が合わないからつまらないということも出てきます。それから性別も関係あるでしょう。女性でしたらやはり他の女性がいる道場の方が何かと良いでしょう。
まじめに空手だけをやり、さっさと帰っていく道場もあれば、稽古のあとに和気藹々と談笑したりする道場もあります。これはみなさんのお好み次第です。僕が所属する現空研では毎回現空研第二部という名で酒を飲みますが、これは空手談義による一種の稽古です。と、いうことにしてます。
B 稽古日と稽古内容
週に1度の道場もあれば毎日の道場もあります。毎日やっている道場の場合、曜日によって違うメニューにしているところもあります。その場合、毎週同じ曜日に行くと特定の稽古以外お目にかからないことになり不都合です。ですから、自分がいつといつ通えるのかを考えるべきでしょう。そして問題は稽古内容です。無理がないようにやっているかとか、ちゃんと指導してくれるかとか、じっくりみましょう。道場生だけで勝手にやっているといういい加減なところもあるようですから。
C 月謝
費用がいくらかかるかは無視できません。安いところでは無料。高いところだと月に1万円以上の月謝が必要です。傾向として、空手を生業にしている先生が経営する道場は高く、そうでないところは安いです。月謝以外にも昇級昇段審査でお金がかかります。これも帯代(昇級で帯の色が変わることがあるので)などの実費で済むところと、何万円もするところがあります。高いところではこれが払えなくて昇級昇段審査を受けないと言う人もいるくらいです。流派である程度高い安いの傾向はあるようですが、結局は道場によって費用は違うようです。
C 設備が揃っていること
@、A、Bでほとんど決まってしまうと思いますが、同じくらい魅力的な道場があったら、サンドバックやまきわら、そのたトレーニング設備があればそれもポイントとなるでしょう。
3 体験入門する
これをやっているところは、それだけでかなりいい道場だと言えます。空手の世界は悲しいかな「自流派は最高だ。他流派なんて……」と他を排除する傾向が非常に強くあります。だから、どうぞ比べてくださいというような気持ちがない。空手をやるならうちに来い。他と比べるなんて言うなら来るなという気持ちがチラチラ出てきます。
ですから見学の際にも、他流派の話とかはしない方が無難です。そして、できたら体験入門をして、ゆっくり判断しましょう。
「この道場は良さそうだ。でも体験入門のシステムがない」と言う場合には、とりあえず入門してしまうのも一つの手です。
4 続けるかやめるか決める
入門したら、しばらくは自分の中では体験入門のつもりでいましょう。それくらいの方が気が楽です。というのは、道場選びを失敗しているかも知れないからです。
失敗だったと思ったら、とっととやめましょう。それでいいです。自分にあった、続けられる道場を早く見つけることが大切です。
中年空手のすすめメニューへ戻る
|